【インターコム】
MaLion 3の新版が登場
ログ取得の機能を活用した取り組みを拡大

　今年6月に設立30周年を迎えたインターコムは、情報漏えい対策・IT資産管理機能をもつソフトウェアの新版「MaLion 3（Ver.3.40）」を8月17日に発売した。新版では、各種資産管理台帳を強化、ユーザー単位でのポリシー設定などが可能となり、セキュリティ対策のPDCAサイクルの活用を強力に支援する。販売パートナーも50社に拡大し、攻勢をかける。さらに同社では、セキュリティ対策以外にもログ取得の機能を活用する取り組みを着々と進めている。「MaLion 3」の強み、今後の戦略を営業本部 MaLion営業部長の松原由高取締役に聞いた。

●40種類以上の機能を標準装備
使いやすさと充実のサポート

　「MaLion」は、2006年の発売以来、その使い勝手のよさから、大手企業はもちろん、ITの専任管理者を置けない中堅・中小企業でも広く活用され、ユーザー数を着実に増やしてきた。2011年の年間販売本数は、過去5年間の累計販売本数を超えるなど好調が続いており、最近は数千単位の大規模な導入も相次いでいるという。

　松原由高取締役は、「当社はこの分野では後発だが、MaLionはほぼ半年の割合でバージョンアップを続けており、お客様とパートナー様の要望に真摯に耳を傾けて機能に反映させてきた。とくに使いやすさとサポート体制は決して他社に負けないという強い自負がある」と強調する。

　MaLionは、充実した標準機能が特徴で、ウェブアクセス・送受信メール・印刷操作などの監視、USBメモリなどの外部デバイス監視、資産管理台帳の作成、レポート出力、リモートコントロールなど合計40種類以上の機能をすべて標準で提供する。WindowsとMac PCの一元管理も可能だ。

　8月17日に発売した新版「MaLion 3（Ver.3.40）」では、組織のSAM（ソフトウェア資産管理）運用を支援する各種台帳機能を改良。「導入ソフトウェア履歴台帳」をベースに、ソフトの導入から廃却までのライフサイクルを一元的に管理することができる。また、ログインユーザー単位でのセキュリティポリシー設定が可能となり、1台のPCを共用するケースでも、異なるポリシーでPC操作を監視・制限できる。インテル vProテクノロジーにも対応。遠隔操作でPCの起動やシャットダウンが可能だ。


　いくら多機能でも使いこなせなければ宝の持ち腐れだが、MaLionは操作性にもすぐれている。メイン画面の管理コンソールは直感的に操作でき、自社の組織に合わせて作成できる管理ツリー、端末の稼働状況がアイコンで表示されるなど、使いこなすための工夫が数多く盛り込まれている。専用ウィザードを活用すれば導入も1日で可能だ。


　さらに10月11日には、クラウドサービス「MaLion Cloud」の提供を開始。MaLion 3と同レベルの情報漏えい対策およびIT資産管理機能を月額利用料のみで利用できるため、初期費用を安く抑えて手軽に導入できる。販売パートナーも50社にまで拡充しているが「パートナーの数が重要なのではなく、当社の哲学を理解していただけるパートナーと協働できることが重要」と松原取締役は語る。

●MaLionが取得したログを
さまざまな分野で有効活用

　MaLionでは、各PCから収集した各種操作情報やIT資産情報などをもとに集計/解析し、さまざまなレポートを作成できる。その結果をもとに改善策に反映させて、セキュリティポリシーを策定。実際の運用を改善するという一連のPDCAサイクルの活用を強力に支援する。

　MaLionは、アイデア次第で情報漏えい対策やIT資産管理以外の分野にも有効活用できると松原取締役は語り、MaLionの中長期的な機能拡張に向けてログ取得の機能を有効活用すべく、さまざまな企業との連携を進めている。

　例えば、今年の4月に対応したKLabの個人情報検出ツール「P-Pointer」との連携による個人情報管理機能や、インテックの統合ログ管理製品「快速サーチャーログレビ」との連携がある。また、PCや複合機などの稼働ログをオフィスの環境・省エネ対策などに生かす取り組みも進む。同社では東大のグリーンICTプロジェクトにも参加。スマートグリッド向けに開発された通信プロトコル「IEEE1888」の相互接続試験において、MaLionのログ取得機能を活用し、各種IT機器からデータを収集するなど、重要な役割を果たしている。

　松原取締役は、「ログはどの企業にもあるビッグデータであり、ログを有効に活用すれば組織の業務効率化や省エネ対策に役立てることができる。その基盤ツールとしてMaLionを役立ててほしい」と力説する。

（写真／横関一浩）


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