アルプス システム インテグレーション（ALSI）は、11月1日、セキュリティ機能を付加したプロキシソフト「InterSafe Cache」を発売した。ALSIのウェブフィルタリングソフトとログ分析ソフトをバンドルし、他社製ウイルス対策ソフトとの連携も容易にした。インターネット接続の高速化と、セキュリティ対策の両方を兼ね備えた新製品の強みを紹介する。

信頼の国産セキュアプロキシ

　プロキシとは、企業内ネットワークとインターネットを接続する際に用いるハードまたはソフトウェアのことで、企業や団体がネットワークを構築するために有用なツールだ。ALSIが自社開発し、このたび発売したソフトベースのプロキシ「InterSafe Cache」は、インターネットへの接続機能だけではなく、ネットワークの高速化を図ることができ、セキュリティ対策も施すことができる機能をもつ。

　プロキシについては、「Squid」というフリーウェアを用いて、ユーザーのウェブアクセスを最適化できるよう工夫した。セキュリティソリューション部ネットワークプロダクト課の西野佑介氏は、ALSIが提供している「InterSafe WebFilter Proxy」に比べて、「160％の処理性能を実現し、1台15000ユーザー程度までの利用を可能にした」と、その効果を説明する。

　一方、セキュリティ機能では、すでに多くのユーザーに利用されているALSIのセキュリティソフトを標準でバンドルしている。国産のウェブフィルタリングソフト「InterSafe WebFilter」と、ログ分析・レポートソフトの「InterSafe LogDirector」だ。

　「InterSafe WebFilter」は、従業員が業務に関係のないウェブサイトやセキュリティリスクの高い不正サイトにアクセスした際、そのアクセスを遮断することができる。業界最高水準のウェブアクセス網羅率98％と入口・出口対策を実現。導入実績は1080万端末を越え、毎年高いシェアを誇っている。「InterSafe LogDirector」では、従業員のウェブサイト・サービスの利用履歴（ログ）を保存し、高精度に可視化・分析する。不適切な操作を行っている従業員の調査やインシデントの兆候を事前に察知することでセキュリティ強度を高めることができる。


　さらに、セキュリティ強化の観点で工夫したのが、他社製のセキュリティソフトとの連携だ。シマンテックとトレンドマイクロ製のウイルス対策ソフトと簡単に連携動作し、統合管理することができるインターフェースを備えることで、より強固なサイバー攻撃対策を実現する。西野氏は、「高速アクセスを実現するプロキシに、ウェブフィルタリングとログ収集・分析、ウイルス対策機能を備えソフトウェアとして提供する新たなセキュアプロキシ」と商品コンセプトを話している。

低コストでの導入を実現

　「InterSafe Cache」は、セキュアプロキシとしての基本機能を高品質で提供するだけでなく、ハードウェア一体型のアプライアンス製品と比べて大幅に低コストでの導入が可能なこともポイントだ。西野氏は、「『InterSafe Cache』は、セキュアなプロキシ環境を構築するために必要となる機能に絞ったことでトータルの導入コストを削減できる。一部の競合製品は、当社製品より多機能なものもあるが、ユーザーはそれほど多くの機能を求めていない。必要な機能を低価格で提供できるのが、『InterSafe Cache』の強み」と他社製品との違いを強調している。また、ソフトウェア型の利点を生かし、仮想化によるハードウェアリソースの効率化も促進する。

　西野氏は、「高精細な動画を企業・団体が業務で利用するケースが増えるなど、ネットワークの帯域を圧迫する要素が増えてきた。従業員がソーシャル系のネットサービスを利用することも多くなってきて、これまで以上にセキュリティ強度を高める必要がある。セキュリティ機能をもつプロキシは、需要が安定的に存在するはず」とみており、ニーズのあるプロダクトであることを強調し、拡販に意欲を示している。