Special Issue

レッドハット、パートナーと共に成長、新プログラムの提供などチャネル支援を大幅に強化

2014/05/27 19:55

 レッドハット(廣川裕司社長)は、チャネル支援の強化に積極的だ。販売パートナー向けの新プログラム「ディールレジストレーションプログラム」を6月1日に開始する。またパートナーとの協業を進めるコミュニケーションツール「Zinfi」の提供を行う。販売パートナーがユーザー企業に対して付加価値の高いサービスを提供できるようにするのが目的で、パートナーと共に成長を図る。

「ディールレジストレーションプログラム」「Zinfi」を新たに追加

 「ディールレジストレーションプログラム」は、販売パートナーがレッドハット製品を使って獲得しようとしている案件を、レッドハットに事前に伝える(登録する)ことで、レッドハットが最適な支援を販売パートナーに提供する制度。SIer・リセラーなど、「アドバンスド・ビジネス・パートナー」「レディ・ビジネス・パートナー」が案件を獲得した場合、その登録案件に対して、レッドハットは特別なディスカウントを提供する。

 「Zinfi」は、パートナーとのジョイントセミナーやイベントで、集客や見込み客の情報を共有するなど、効率的な営業活動を支援するツール。個々のパートナーに専用サイトで情報を提供するほか、販売促進に向けたeメールの配信やウェブサイトの構築なども行う。また、レッドハットの技術者によるWebinar(ウェブカンファレンス)の実施も計画している。

 さらに、eラーニングも刷新。パートナーの営業担当者やエンジニア、セールスエンジニアなどに必要な営業知識・最新技術情報のトレーニングを無償で受講できるコンテンツを提供する。これまでは英語の講座が多かったが、日本語版のコースを次々と増やしている。ミドルウェアやデータインフラストラクチャ、クラウドインフラストラクチャなどをテーマとするコースを用意している。

250社のパートナーを500社に

 レッドハットは、現在、約250社の販売パートナーを500社まで増やすことを目標に掲げ、パートナープログラムの改善など、チャネル支援の強化に取り組んでいる。販売パートナーを増やす理由として、古舘正清・常務執行役員パートナー・アライアンス営業統括本部長は、「一気にビジネスを拡大するステージに入ったからだ」と話す。

 OSから始まり、データベースやミドルウェア、サーバー仮想化、アプリケーションなど、OSSのカバー領域は広がっている。「今ではビッグデータやモバイル、クラウド、仮想化/インフラまでも網羅している」と、古舘常務執行役員は説明する。こうした状況のなかでビジネスを拡大するには、販売パートナーを増やしていくことが重要と判断したのだ。

古舘正清・常務執行役員パートナー・アライアンス営業統括本部長

 サーバー市場の成長が鈍化する一方で、クラウド環境ではOSSを採用するのが一般的になっているのも、販売パートナーを増やす理由の一つ。玉利裕重・SI-er&ISV営業事業部長兼チャネル戦略室長は、「OSS市場は、2012~17年の年平均成長率が10.2%という予測が出ている」と根拠を挙げてくれた。

玉利裕重・SI-er&ISV営業事業部 事業部長兼チャネル戦略室長

 古舘常務執行役員は、「当社は国内OSS市場の拡大の2倍以上の売上成長率を目指す」という方針を掲げる。玉利営業事業部長は、「ぜひ当社の販売パートナーになっていただき、共に成長していきたい」と呼びかける。レッドハットのチャネル支援の強化は、クラウド環境が拡大しているなかで注目を集めそうだ。

販売パートナーの増加によってビジネス拡大に意欲をみせる玉利営業事業部長(左)と古舘常務執行役員
  • 1

関連記事

レッドハット、チャネルパートナープログラムを大幅に拡充

大塚商会 OSSビジネスの拡大を本格化 売上高を前年比30%増へ

レッドハット、OpenStackの導入を容易にする新製品を発売

レッドハット、「Red Hat Linux」の成長戦略発表、5年間で3倍以上の規模に

レッドハット 技術者育成の新制度を策定 クラウド構築でOSS浸透へ

外部リンク

レッドハット=http://jp.redhat.com/