【上海発】構造計画研究所の中国・上海市にある上海代表処は、来年度(2011年6月期)から、専門分野の得意技を生かし、三つの事業を中国内で新たに本格展開する。

 同社は、“栓抜きビル”と呼ばれ、商業ビルとして中国最高層を誇る「上海環球金融中心」の構造設計に携わるなど、構造設計で地元に名を馳せている。この知名度を生かし、3事業を展開する。

 短期的には「製造業工場向けコンサルティング」と「大型施設の総合コンサルティング」を展開。前者は、画像処理技術を用いた製造工場などの什器接触計測による作業や作業員動線の計算などによって、業務の効率化を図る。後者は、大手スーパーやデパートなどの大型施設で顧客をうまく誘導し、購買を上げる動線づくりなどを、コンピュータ解析を用いて行う。

 上海代表処の岡村峠代表は「日系企業だけでなく、中国ローカル企業からも案件を獲得し、日本本社の技術や営業と連携を深めることで、実績を上げていく計画」と語る。

 中期的には「マーケティング・コンサルティング」の事業化を目指す。現実世界では実現困難な実験をMAS(マルチエージェントシミュレータ)で仮想空間をつくり出し、公園などの人が集まる場所の動きに一定のルールをつくる仕組みを提案する。中国人は「整然と列をつくって並ばない」(岡村代表)など、公共場所でのマナーの悪さが目立つが、これらの解消を支援する。(谷畑良胤)

自ら申し出て中国駐在している岡村代表。同社は中国最高層のビルで“栓抜きビル”の愛称で親しまれている「上海環球金融中心」に事務所を構えている