京セラコミュニケーションシステム(KCCS、小林元夫社長)と京セラ丸善システムインテグレーション(KMSI、鈴木幹夫社長)は7月12日、東京大学大学院工学系研究科「医療社会システム工学寄付講座(飯塚特任教授・水流特任教授)」と共同で、診療プロセスの管理に使用する「PCAPS-Administrator」を開発したと発表した。現在、複数の検証協力病院で実装試験を行っており、診療現場における実運用での効果を確認し、製品化を目指す。

 PCAPS(Patient Condition Adaptive Path System:患者状態適応型パス)は、04年に東京大学の飯塚教授が提唱し、「品質工学の手法を医療に応用し、患者の状態に沿った多様な診療を可能にする手法」で、医療の質・安全保証の実現を目指している。「PCAPS」の特徴は「患者状態適応型」で管理する点にあり、これにより患者ごとに診療計画を作成し、状態の変化に応じた計画変更や合併症への対応など幅広い計画診療の実行が可能となる。

 KCCSとKMSIでは、08年からPCAPS統合化システムの実現に向け、PCAPS統括班のメンバーとして東京大学飯塚・水流研究室と共同研究を行い、電子化・システム化に取り組んできた。そして今回、医療現場で診療プロセスの管理に使用する「PCAPS-Administrator」の開発を行った。「PCAPS-Administrator」に使われる診療コンテンツは、全国200人余りの病院関係者によって組織されたPCAPS研究会で作成され、提供されるという。

 現在検証を進めている麻生 飯塚病院の脳外科分野に加え、今後はトヨタ記念病院、大久野病院など検証協力病院・医療関連施設において周産期・訪問看護・回復期などその他の診療分野の実装試験を行い、診療現場における実運用での効果を確認し、製品化を目指していく。また、KCCSグループは、電子カルテベンダーなどと協力して、病院へのPCAPS普及に取り組み、チーム医療の実現や地域連携の促進を図っていく方針。