NEC(遠藤信博社長)は、データセンター(DC)で広く活用されている1Uサーバーで、機器の発生する熱を効率よく冷却する省エネ冷却技術を開発した。

 冷媒が液体から気体に変化する際に熱エネルギーが移動する性質を利用した相変化冷却で、高低差が小さくても大量の熱輸送ができたり、サーバー内の冷却風の流れを最適化したりできる構造を、1Uサーバー内で実現した。

 デバイスの熱を吸収して冷媒を気体に変える受熱部と、気体となった冷媒から熱を放出して液体に戻る放熱部で、冷媒液面の高さが等しくなる気液平衡を利用した構造を開発。従来は必要だった機器内の高低差がなくても冷媒を循環させることができ、1Uサーバーをはじめとする薄型のIT機器に相変化冷却モジュールを搭載できるようになる。

 また受熱部で、CPUが発する100W以上の熱を効率よく輸送するフィン構造を開発。体積あたりの熱輸送量が増える気液二相流での冷媒循環を実現した。この手法は、ノートパソコンなどに広く活用されているヒートパイプと比較して、数倍の熱輸送が可能になる。さらに、サーバー全体のファンの送風量を削減しながら、CPU以外の発熱部品であるチップセットやメモリも冷却するエアダクト構造を開発し、機器内の冷却効率を最適化した。

 この省エネ冷却技術によって、1Uサーバー単体の冷却に必要なファンの電力を、従来の空冷方式と比べて60%以上削減。DCの消費電力の約半分を占めているIT機器の冷却電力を20%以上削減する。