大手ハードメーカー7社が、2014年の製品・販売戦略を発表した。日本コンピュータシステム販売店協会(JCSSA、大塚裕司会長)が、1月21日に都内で開いた新春特別セミナーの恒例企画で、協会員の販売パートナー向けに“自社の売り”をプレゼンテーションした。

 NECは、昨年に引き続き、クラウド時代のキーデバイスとして、タブレット端末への注力を鮮明にした。庄司信一執行役員常務は、「教育市場でWindowsタブレットが広がってきている一方で、Androidタブレットは、コストメリットが大きく、業種・業務向け専用端末の代替として需要が喚起されている。当社独自のノウハウを生かして、ソフトウェアに機能をアドオンしてニーズに応える」と話した。

NECの庄司信一執行役員常務

 日本ヒューレット・パッカードの那須一則プリンティング・パーソナルシステムズ事業統括執行役員パートナー営業統括本部第二営業本部本部長は、「今年の商戦の大きなポイントは、やはりWindows XPのマイグレーション」としたうえで、「その後は、Windows Server 2003のリプレースを提案する。システムの管理・運用性を大きく改善するサーバー製品やソリューションを用意している」と戦略を説明した。また、昨年発売したビジネスインクジェットプリンタについては、「販売店の売り上げ・利益に貢献できる商材だ」とアピールした。

日本HPの那須一則プリンティング・パーソナルシステムズ事業統括執行役員パートナー営業統括本部第二営業本部本部長

 富士通は、デバイスからプラットフォームまで、幅広い製品群をフルスタックで備えている強みを訴えながら、具体的な注力商材として最新のタブレット端末を紹介。齋藤邦彰執行役員ユビキタスビジネス戦略本部長兼パーソナルビジネス本部長は、「タブレット端末の防水・防塵・耐薬品設計、長時間駆動、PC同様のハイスペックCPUの搭載などは、オフィスや業務の現場でさまざまな使い方を提案できる差異化要素」と説明。「PCを含めて、カスタマイズも日本で行うので、品質には絶対の自信がある」とした。

富士通の齋藤邦彰執行役員ユビキタスビジネス戦略本部長兼パーソナルビジネス本部長

 日立製作所は、エンドユーザーのビジネスを成長させるためのクライアント環境整備を重視する方針を示した。岩崎秀彦情報・通信システムグループ情報・通信システム社事業執行役員プラットフォーム部門COO兼ITプラットフォーム事業本部長は、「自社グループのデスクトップ仮想化事例などを製品開発にフィードバックしている」と紹介し、「クライアント環境構想策定のコンサルティングも手がけ、パートナーとともにユーザーに最適解を提案したい」と話した。

日立製作所の岩崎秀彦情報・通信システムグループ情報・通信システム社事業執行役員プラットフォーム部門COO兼ITプラットフォーム事業本部長

 「2014年のキーワードは、新たなワークスタイルの提案」としたのは、ソニーマーケティングの鈴木功二執行役員専務だ。タブレットとキーボードを組み合わせて1台の端末をあらゆるシーンで使う2 in 1スタイル製品にも、ノートPCとタブレット端末をオフィスと外出先で使い分けるユーザーに対応する製品群を提供する。また、ビデオ会議システムなど、モバイル端末との組み合わせで効果を発揮するコミュニケーションシステムも用意する。

ソニーマーケティングの鈴木功二執行役員専務

 東芝は、端末の「ビジネス向けラインアップを、質・量ともに強化する」と宣言し、タブレット端末からワークステーションまで、新商品を紹介した。徳光重則 執行役上席常務デジタルプロダクツ&サービス社カンパニー社長は、「自社製BIOSを生かしたエンドポイント管理などは当社だけの強み」と話し、クライアント管理ソリューションの展開も強化する意向を示した。

東芝の徳光重則執行役上席常務デジタルプロダクツ&サービス社カンパニー社長

 レノボ・ジャパンのロードリック・ラピン社長は、自身が社長を兼任するNECパーソナルコンピュータの製品も含めて、レノボ・NEC連合として「法人から個人のユーザーまで幅広いニーズに応えるハードウェア製品をラインアップしている」と強調。PCの事業基盤を守りつつ、タブレット端末などもあわせて提案する「PC+」の市場を開拓し、エンタープライズ領域のビジネスを強化するとした。

レノボ・ジャパンのロードリック・ラピン社長

 プレゼンテーション終了後には、会員などからの質問に全登壇者が回答する質疑応答を実施。司会は、JCSSAの窪田大介セミナー委員長(リコージャパン専務執行役員)が務めた。

JCSSAの窪田大介 セミナー委員長

 Windows XPマイグレーションに関連して、「ビジネス向けPCのOSでWindows 8が主役になるか」という質問に対して、イエスと答えたのは富士通の齋藤執行役員とソニーマーケティングの鈴木代表取締役だけで、依然としてWindows 7がビジネス向けには根強い人気があることをうかがわせた。また、「2014年のタブレット端末市場では、WindowsタブレットとAndroidタブレットのどちらがより大きく成長するか」という質問では、全員がWindowsタブレットと答え、会場からは大きなどよめきが起こった。(本多和幸)

盛り上がりをみせた質疑応答