オービックビジネスコンサルタント(OBC、和田成史社長)が全国11会場で開催するユーザー向けイベント「奉行フォーラム2014」が、10月9日、名古屋市内で幕を開けた。全国で1万人の集客を目指す。名古屋会場には、1138人が来場。5年ぶりの開催となった昨年は、消費税改正対応などの大きな話題があったことで1001人が来場したが、これを上回った。OBCの主力製品、業務ソフト「奉行i8シリーズ」のクラウド展開の詳細を発表するなど、注目度の高いコンテンツが集客に貢献した。

 名古屋会場では28のビジネスセミナーを開催。とくに注目を集めたのは、「奉行i8 for クラウド パートナーシップのご紹介」と題したセッションだ。ユーザー向けイベントとしては異例のプログラムだが、「奉行i8」のパブリッククラウド環境対応版「奉行i8 for クラウド」の詳細やパートナー向け施策をこの場で初めて明らかにするということで、多くの聴講者を集めた。

 「奉行i8 for クラウド」では、OBCがパブリッククラウド(IaaS)上の動作を保証するとともに、専用のサポートサービスをユーザーに提供。現在のところ、対応予定のパブリッククラウドは、Microsoft Azure、SoftLayer、BIGLOBEクラウドホスティングの三つだ。クラウドベンダーとはOBCが個別にパートナーシップを結び、「奉行i8」の動作検証をしている。今後、対応サービスは順次拡充する。

 また、強力な間接販売網を構築することでシェアを伸ばしてきたOBCらしく、クラウドでもパートナーの収益確保を最優先したビジネスモデルを構築した。パブリッククラウド上のセットアップなど、クラウド環境構築を自動化するツールの提供や、その活用手法の教育支援などを行う。さらに、機能性やオプションの拡張などの方法は既存の「奉行i8シリーズ」とまったく同じで、パートナーは従来通りの販売方法で、クラウド環境での「奉行i8」運用を提案できる。

 「奉行i8 for クラウド」の価格体系も、従来のパッケージ購入とほぼ同様の設計・支払い方式の「イニシャル重視モデル」と、定額支払い方式の「ランニング重視モデル」の2種類を用意する予定だ。

 「奉行シリーズ」の導入によって、社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)への備えを促すセミナーも好評を博した。帳票対応や個人・法人番号の適切な管理と活用が求められることから、番号会計・税務系システムから人事労務系システムまで、幅広い業務領域に影響があることを指摘。さらに、人事労務系システムの新しいトレンドとして、ストレスチェックの義務化やタレントマネジメントの重要性の高まりにも触れ、「包括的な対応が可能なパッケージ」として、「奉行シリーズ」の優位性をアピールした。

盛況だったセミナー

 展示コーナーは、「奉行シリーズ」を中心とした会計、人事労務、販売管理などの「業務別ソリューション」、業種・業態別で業務課題を解決する「業種・業態別ソリューション」、そして「クラウドソリューション」という三つのテーマに分けて展開した。「奉行i8 for クラウド」と、対応するパブリッククラウドのベンダーがブースを構える「クラウドソリューション」では、来場者が係員の説明を熱心に聞く様子が目立ち、ユーザーの高い関心をうかがわせた。

クラウドソリューションコーナーでは、係員の説明を熱心に聞く来場者が多かった

 和田社長は、「奉行フォーラム」のオープニングを飾った名古屋会場の盛況ぶりについて、「予想以上」としながらも、「消費税改正とWindows XPのサポート切れというダブルの特需が落ち着いたところで、ユーザーもパートナーも次のトレンドに動き出した。それが、マイナンバーなどの制度対応と密接に関連したHR(ヒューマンリソース)系システムや、クラウドへのフォーカス。今回の『奉行フォーラム』のテーマ設定や『奉行i8 for クラウド』の詳細発表は、まさにタイムリーだった」と分析した。(本多和幸)

和田成史社長