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リンク ベアメタル本格拡大の分水嶺 パートナーを50社に拡大

2014/11/13 18:54

週刊BCN 2014年11月10日vol.1554掲載

 クラウドサービスのリンク(岡田元治社長)が、ベアメタルクラウドサービス「ベアメタル型アプリプラットフォーム」での販売攻勢を一段と強めている。販売強化の目玉としてパートナープログラムをスタート。販売面で協力する「セールスパートナー」と、パートナーがもつ製品やサービスと連携する「ソリューションパートナー」の大きく2系統に分けて、より幅広いパートナーと協業できる体制を整えた。

内木場健太郎
事業部長
 プログラムでは、ソリューションパートナーは、パートナーがもつ業務アプリケーションやシステム移行サービス、保守・運用サービス、情報セキュリティといった製品やサービスとリンクのベアメタルのITインフラと連携させる。「パートナーの反応は上々」(リンクの内木場健太郎・at+link事業部事業部長)で、早い段階で40~50社のパートナーを獲得する見通しを立てている。ベアメタル型アプリプラットフォームは、ユーザーがオンラインでの操作によって物理サーバーを最速20分で動かすスピードを誇っており、今後もこの速さを生かすとともに、ビジネスパートナーをさらに増やしていくことで販売に弾みをつける。

 また、サービス面でも、2015年の早い段階で仮想サーバーと物理サーバーのデータ移行をよりスムーズにしたり、ファイアウォール機能を強化したりするなどの充実を図る。とりわけ仮想と物理のデータ移行は、ユーザーからの根強い要望がある。ユーザーは小規模な仮想サーバーでシステムを立ち上げ、軌道に乗ったら処理速度が速い物理サーバーへ乗り換えたり、逆にシステムに対する需要が小さくなったら物理から仮想へ移るなど、物理と仮想の“いいとこ取り”を求めているからだ。

 リンクがベアメタル型アプリプラットフォームを始めたのは今年5月。以来、ユーザーへの営業活動やセミナーを積極的に展開してきた。こうした活動のなかでみえてきたのが「ユーザーのベアメタルクラウドに対する期待の高さと、認知度の低さ」(内木場事業部長)という矛盾だった。ここ数か月の同社が接触した一般ユーザーのなかでベアメタルクラウドを理解しているユーザーは「10人のうち、1人か2人程度」(内木場事業部長)。IT業界内での注目度の高さと一般ユーザーの認知度の乖離が大きいのが実態だ。

 折しも、ベアメタルクラウドで競合する「IBM SoftLayer」は、年内に国内初のデータセンターを開設予定で、これに先立ち国内でのマーケティング活動を本格化させている。日本IBMはSoftLayer事業のビジネスパートナーをすでに国内120社余りに増やし、今年年末がベアメタルクラウドの知名度がユーザーに広まる“分水嶺”になる可能性が高い。「仮想サーバー中心の従来型のパブリッククラウド陣営と競争するという面では“同じ陣営”に属している」(内木場事業部長)と、当面はIBM SoftLayerとの共闘が市場拡大のカギを握るとみる。(安藤章司)

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