週刊BCNは3月23日、「業界の“今”がわかる!有力商材が見つかる!SIer・リセラーのためのITトレンドセミナー」を京都市内で開いた。デジタルトランスフォーメーション(DX)の一大トレンドを俯瞰して解説する識者の講演や、DXにより大きな成長が期待できる商材をラインアップし、全国で販路拡大を目指すITベンダーの製品戦略、パートナー戦略解説などに、参加者は熱心に耳を傾けた。

 基調講演には、一般社団法人クラウド利用促進機構総合アドバイザー テクノロジー・リサーチャーの森 洋一氏が登壇し、「米自動運転車開発とIT産業の変貌 ~デジタルトランスフォーメーションの時代~」と題して、自動運転開発のトップランナーたちの取り組みや、こうした動きがIT産業にもたらす影響について解説した。森氏は、米テスラや独アウディ、米グーグル、米GM、米フォード、UBERなど、ITベンダーや自動車メーカーなど多様なプレイヤーが入り乱れて協業のエコシステムを構築しつつ自動運転車開発の領域で競っている状況を説明。さらに、自動運転車はエッジコンピューティングにおけるGPUメーカーの争いも激化させると指摘したほか、IoTソリューションの進化もけん引していると解説。「自動運転車はITと機械を融合した産業の大変革。自動車側ではなく、IT側の人間がそれをリードしている。IT産業は、コンピュータだけでなく多様な機器への対応が求められるようになるだろうが、それはビジネスチャンスでもある」と呼びかけた。
 
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一般社団法人クラウド利用促進機構総合アドバイザー テクノロジー・リサーチャーの
森 洋一氏

 各セッションでは、市場で注目を集める製品・サービスのベンダーが自社製品のメリットやパートナー戦略を説明した。

 セッション1では、arcserve Japan チャネルマーケティング部部長の末吉聡子氏が、「仮想化、HCI環境でも84%バックアップデータを削減できるバックアップアプライアンスとは?!」と題して講演。同社のバックアップソフトをハードウェアにインストール済みのアプライアンス製品である「Arcserve UDP 8000」シリーズの特徴を解説した。末吉氏は、「データ保護環境の複雑化は加速する一方だが、UDP 8000はワンストップのトータルソリューションをシンプルに実現できる。しかもライセンスフリーで、物理環境か仮想環境、OSの種類、サーバーかPCかを問わず、なんでも入れてしまえる」と説明。バックアップ/リカバリに必要な管理コンポーネントはすべてインストール済みで、基本的な設定をするだけですぐに使えるほか、最適にサイジング済みで、「システム設計の工数とリスクを最小限に抑えてるため、非常に提案しやすい商材だ」とアピールした。なお、UDP 8000シリーズは、ダイワボウ情報システムが販売、問い合わせ窓口を設けている。
 
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arcserve Japan チャネルマーケティング部部長の
末吉聡子氏

 セッション2には、NTTデータ ウェーブ 営業部グループ長の竹内剛氏が登壇。「旅費/経費精算・ワークフローソリューション『WAVE225』が経営課題解決に大きく貢献」をテーマにプレゼンした。WAVE225は、旅費・経費精算と稟議の二つの機能をラインアップしていいる。竹内氏は、「働き方改革は大きなトレンドだが、社外とのやり取りが発生する業務は簡単には効率化できない。一方で、社内の管理プロセスは効率化に取り組みやすい。なかでも経費精算や稟議申請のプロセスは現場の不満が出やすく、効率化を求める声は多い」と指摘し、WAVE225がそうしたニーズに応える製品であることを強調した。さらに、システム基盤として「intra-mart」を採用しており、拡張性が高く他の業務システムとも容易に連携できることや、e-文書法にも対応していることも紹介。RPAやBIと組み合わせた間接業務の一層の効率化事例なども出てきているといい、「WAVE225は間接業務の負荷軽減による働き方改革を強力にサポートできるツールで、引き合いは全国から来ている。パートナーを広く募り、ともにビジネスを成長させていきたい」と会場に呼びかけた。
 
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NTTデータ ウェーブ 営業部グループ長の
竹内剛氏

 セッション3では、アーク・システムマネジメント代表取締役の日吉孝浩氏が、「自社製NASデータ共有と自動バックアップアプライアンスの新製品とHCIサーバー統合システムの連携」と題して講演した。日吉氏は、同社の主力製品ブランドであるNAS型データ共有/データ保護アプライアンス「Storend」について、データ共有とバックアップを網羅し、専門知識のある担当者がいなくても容易に導入できるのが特徴の「オールインワンNAS」だと説明。さらに、「Storendの既存ユーザーなどから、もっと機能を追加した製品がほしいという声もあり、StorendIIとVをつくった。Active Directoryに完全対応し、短時間でハードウェアRAIDを構成できるなど、多くの機能拡張がある。NASとバックアップの市場では、ハイエンドとエントリ製品の間を埋める競争力のある製品に仕上がった」と強調した。また、小規模なサーバー統合やITスタッフが少ない組織のスケールアウトなどのニーズには、ハイパーコンバージドインフラの「ASM-HCI」を用意していることを説明。「われわれはインフラ側の製品をベースに、アプリケーションを提供してくれるSIerや販社と協業して販路を拡大したい」と話した。
 
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アーク・システムマネジメント営業本部代表取締役の
日吉孝浩氏

 セッション4では、キヤノンITソリューションズ ITインフラセキュリティ事業部ゲートウェイセキュリティ企画本部技術開発部セキュリティリサーチャーの西浦真一氏が「最新のセキュリティ脅威動向と、多層防御を実現するフレームワーク」をテーマに講演した。西浦氏は、ランサムウェア「WannaCry」などの被害を振り返り、「2018年はサイバー攻撃がより高度に進化し、未然に防ぐ対策だけでなく、侵入された場合を想定した対策も必要」と指摘。入口対策と内部対策、出口対策の「多層防御」が重要だと説いた。ただし、ユーザーがセキュリティ対策にかけられるコストは有限であり、費用対効果を考慮し、「対策すべきリスクの特定、適切な防御、不正な通信の検知、検知されたサイバーセキュリティイベントへの対応、阻害された機能・サービスの復旧という五つのフレームワークで考えることが重要だ」と解説した。そのうえで、セキュリティ対策製品のディストリビュータ、そしてSIerとしての経験を生かして幅広いセキュリティ製品をラインアップしていることをアピールし、「セキュリティに関することは何でも気軽に相談してほしい」と話した。
 
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キヤノンITソリューションズ ITインフラセキュリティ事業部
ゲートウェイセキュリティ企画本部技術開発部セキュリティリサーチャーの
西浦真一氏

 セッション5では「『働き方改革』を推進するERPシステムの可能性~生産性向上と長時間労働問題に立ち向かうには~」と題して、ビーブレイクシステムズ 営業部広報・営業推進チームの関野修一氏が講演した。関野氏は、政府が働き方改革を国策として進めていることを受け、企業がすぐにでも取り組むべきテーマとして労働生産性の向上と長時間労働の是正を挙げた。そのうえで、同社のプロジェクト型企業向けクラウドERP「MA-EYES」を使うことで、「無駄な作業を排除して、プロジェクトの稼働状況や収支状況などの現状を正確に把握することで、労働生産性の向上と長時間労働の是正への道筋が見えてくる」とした。MA-EYESの特徴としては、プロジェクト管理型業種に特化した機能構成となっていて汎用パッケージでカバーしきれない領域にも対応している点、要望に応じて柔軟なカスタマイズや他社製品との連携ができる点などを紹介。ユーザー層については「大企業や中堅中小企業などの成長企業に多数導入していただいている」と説明するとともに、パートナー販売も拡大していく意向を示した。
 
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ビーブレイクシステムズ 営業部広報・営業推進チームの
関野修一氏

 セミナーと締めくくりとなった主催者講演では、週刊BCN記者の本多和幸がFinTechの最新事情を、取材情報をもとに解説した。