【サンフランシスコ発】米オラクルはサンフランシスコで10月22日から25日にかけて年次プライベートイベント「Oracle Open World 2018」を開催した。2日目にあたる23日午前中の基調講演にはマーク・ハードCEOが登場。エンタープライズITビジネスを取り巻く環境の変化を解説した。「クラウドの次は、AIによる自動化がエンタープライズITの世界を大きく変える」というメッセージを強く打ち出した。
マーク・ハードCEO
ハードCEOは2015年、Oracle Open World 2015の基調講演で、25年のIT業界に関する「五つの予測」を発表した。「アプリケーションの80%はクラウド上で稼働するようになる」「2社のアプリケーションスイート・プロバイダーがSaaS市場の80%を占めるようになる(そのうち1社はオラクル)」「新しいアプリケーションの開発・テストは100%クラウド上で行われるようになる」「ほぼ全ての企業のデータはクラウドに格納されるようになる」「エンタープライズクラウドは最も安全なIT環境になっている」というものだ。
そして翌年のOracle Open World 2016では、「80%のIT予算はクラウドに使われる」「企業のデータセンターの80%はなくなる」「CIOはIT予算の80%をイノベーションのために使うようになる」という三つの予測を追加した。さらにその翌年、Oracle Open World 2017では、より近未来の予測として、20年までに「規制が厳しい業界でも生産ワークロードの50%がクラウドにシフトする」「90%のエンタープライズアプリケーションがAIを組み込むことになる」などと指摘した。
実際に、Oracle Open World 2018では、AIを活用したSaaS製品の機能拡充が発表されているほか、ラリー・エリソン会長兼CTOは前日の基調講演で、AIを活用した自律型データベース「Oracle Autonomous Database」がこれからのオラクルのポートフォリオの核になる技術であることを改めて強調した。ハードCEOは「Autonomous Databaseによってデータベース管理者はいなくなるかもしれない。しかし仕事がなくなるということではなく、もっと高い次元の仕事が生まれるということ。AIによる自動化は既存システムの保守に8割のIT予算を使わなければならない状況を変え、8割をイノベーションに使うことができるようにする可能性を開くのだ」と力を込めた。
なお、Oracle Open World 2018については週刊BCN紙上で詳報する。(本多和幸)
【サンフランシスコ発】米オラクルはサンフランシスコで10月22日から25日にかけて年次プライベートイベント「Oracle Open World 2018」を開催した。2日目にあたる23日午前中の基調講演にはマーク・ハードCEOが登場。エンタープライズITビジネスを取り巻く環境の変化を解説した。「クラウドの次は、AIによる自動化がエンタープライズITの世界を大きく変える」というメッセージを強く打ち出した。