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日本IBM、医療向け生成AIを実運用開始 問診と看護記録を効率化
2025/10/16 09:00
週刊BCN 2025年10月13日vol.2078掲載
日本IBMは10月1日、医薬基盤・健康・栄養研究所、大阪国際がんセンターとの共同研究「AI創薬プラットフォーム事業」の成果として、「問診生成AI」と「看護音声入力生成AI」の実運用を、同センター内で開始したと発表した。同日の記者説明会で日本IBMの金子達哉・執行役員は、「現在は研究段階にある」としつつ、今後はユースケースの拡充や他の医療機関への展開も視野に入れてシステムを構築していく方針を示した。
がん治療では、患者は従来、紙の記録用紙に手書きで体調を記録し、診察時に医師や看護師から同じ内容を繰り返し質問される負担があった。また、医療者側も情報が複数の媒体に分散し、必要な情報を活用しにくい状況だった。
一方、問診生成AIは、患者が自身のスマートフォンやPCを使い、AIアバターとの対話形式で日々の体調を入力できる。音声入力にも対応しており、入力内容はグラフや週次サマリーとして整理され、電子カルテとシームレスに連携する。これまでよりも約25%の業務負担軽減が期待できるという。
看護音声入力生成AIは、「看護カンファレンス」や「電話サポート」などの業務の会話内容をAIが自動で書き起こし、カルテ記録のドラフトを作成する。検証では、記録に要する時間を従来比で約40%短縮できたという。誤字や誤変換があるため「正確性」と「一貫性」の評価は高くないが、対策として自動でAIが学習する仕組みを整備し、誤変換をシステム側で修正。AIが出力した要約を必ず看護師が最終チェックする体制とした。
どちらのソリューションも、大阪国際がんセンターの院内ポリシーに準拠して、セキュアなネットワーク接続を構築。その上で、現行運用の他社製電子カルテシステムの仕様に沿って、安全かつ自動的なデータ連携を実現している。
計画では、10月以降に「対話型疾患説明生成AI」の他科展開や、医療文書の作成を支援する「書類作成・サマリー作成AI」の運用を開始する。
(南雲亮平)
日本IBMは10月1日、医薬基盤・健康・栄養研究所、大阪国際がんセンターとの共同研究「AI創薬プラットフォーム事業」の成果として、「問診生成AI」と「看護音声入力生成AI」の実運用を、同センター内で開始したと発表した。同日の記者説明会で日本IBMの金子達哉・執行役員は、「現在は研究段階にある」としつつ、今後はユースケースの拡充や他の医療機関への展開も視野に入れてシステムを構築していく方針を示した。
がん治療では、患者は従来、紙の記録用紙に手書きで体調を記録し、診察時に医師や看護師から同じ内容を繰り返し質問される負担があった。また、医療者側も情報が複数の媒体に分散し、必要な情報を活用しにくい状況だった。
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