日本IBMが同社ビジネスに貢献したパートナーを表彰する「IBMエクセレント・パートナー・アワードJapan2010」で、アルゴグラフィックスは「イノベーション・パートナー・アワード」を受賞した。IBM製の最新ストレージやクラスタ環境などを使った先進的なシステム構築の実績が評価された。同社が抱える高度技術者集団が手がけるソリューション力は、高度なIT基盤を必要とするユーザーの要求に十分に応えられるものとして、パートナーのなかでも一目置かれている。
高度なIT基盤構築に一日の長
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| 澤田米生 社長 |
アルゴグラフィックスは、3D(3次元)CAD「CATIA」などを使った製品開発に関わるすべてを対象としたPLM(Product Lifecycle Management)ソリューション、HPC(High Performance Computing)ソリューション、サーバーソリューションを提供している。高度技術者集団を抱え、製造業を中心とするユーザーの設計開発業務や、製造業以外の業種でもIT基盤構築業務などを手がける。
澤田米生・社長執行役員は「当社は『ものづくり』を徹底的に支援したいと考えている。その分野では世界一のサービスプロバイダをめざしている」と方針を語る。
近年は、この製造業向けで培った技術を駆使して、大学の研究室などに対して新たな価値を提供するとともに、新市場を開拓している。
例えば、関西にある大学向けのシステム構築だ。大学は以前より使用していたシステムを、拡張性と柔軟性を備えた飛躍的に使い勝手のよいシステムに変更し、全体最適化を実現したいと考えていた。
アルゴグラフィックスはこの要請に応えるために、IBMの最新製品を活用したシステムを構築。これは、物理・仮想の両システムで最大限のパフォーマンスを発揮するIT基盤「Power System」や「System x」のブレードサーバー、仮想テクノロジーの「Power VM」に加え、43TBの容量を最新ストレージ「XIV Storage System」で構築し、クラスター構成で一つのファイルを複数のサーバーディスクに分散配置できる「GPFSテクノロジー」で構成した。
研究用のアプリケーションは「Power System」を主軸に、その他の承認やメールシステム等はIAサーバー「System x」で構築した。
澤田社長は「高速大規模ファイルサーバーをはじめ、最適化を目指した先端的なシステムを実現できた。利用方法に応じて柔軟に拡充できる」という。日本IBMに対しては「技術レベルが高く信頼している。アーキテクチャの将来の方向性を開きつつ、当社の技術革新もテンポを早める」(澤田社長)と語り、日本IBMと歩調を合わせて技術力をさらに研ぎ澄ます考えだ。(谷畑良胤)