日立システムズは、ITコーディネータ(ITC)と協力して、約70種類のソフトウェアをクラウドで提供する中小企業向けサービス「Dougubako」の利用促進に取り組んでいる。

 「Dougubako」を自社ブランド化して提供すれば、ITCにとっては安定的な収益に結びつけられるというメリットがある。

 主に東京都の中小企業を対象に活動している川端俊之ITCは、「Dougubako」の活用に関して、日立システムズと協力関係を結んだ一人だ。川端ITCは、ニーズがありそうな中小・零細企業に「Dougubako」を提案するだけでなく、自身が開発した給与計算のパッケージソフトを「Dougubako」のラインアップとして提供し、他のITCが紹介できるようにしている。

 しかし、「実際をいえば、まだ『Dougubako』で安定的な収益を確保することはできていない」と川端ITCは語る。その理由は、中小・零細企業の経営者のクラウドサービスに対する抵抗感が、まだ十分に拭えていないからだ。川端ITCは、「Dougubako」の提供が始まった2010年から日立システムズと協力関係を結んでいるが、当時、中小企業の経営者にとって、従量課金制で提供するクラウドサービスは、理解しにくいものだった。そのため、「『Dougu bako』がどんなにすぐれたサービスでも、クラウドというだけで中小・零細企業の選択肢から外れていた」と振り返る。つまり、中小・零細企業にとってクラウドは、時期尚早のサービスだったわけだ。

 しかし最近は、ようやく反応が変わってきた。スマートデバイスが普及し、オンラインストレージなど、クラウドサービスを一般消費者が利用するようになってきたことで、中小・零細企業の経営者にも、月額制で初期コストが安いことや、運用の手間がかからないといったクラウドのメリットに対する理解が深まってきたのだ。

 川端ITCは、「このところ、『Dougubako』の問い合わせが増えていて、試用版のダウンロード数は以前の倍になっている。それも、場所を問わずに業務システムを利用したいという具体的な目的をもった経営者が多い」という。時期が早すぎた「Dougubako」だが、ようやく芽吹いてきた。ITCが、クラウドサービスを活用して、安定的な収益を上げられるようになる日も近い。(真鍋武)