
野上義博 社長 2013年は、Windows XPの買い替え需要にけん引されて、パソコンを中心に、周辺機器やソフトウェアの販売も順調に推移した。年初の急激な円安で輸入部品などが値上がりし、製品の値崩れに歯止めがかかった。結果として製品価格が安定したことで購買への安心感が出たことも需要喚起の一助になった。また、成熟した商品は価格を下げれば売れるとは限らず、低価格化が必ずしもいい結果をもたらすとは限らないという意識が業界のなかで少し広がってきたように実感した年だった。
2014年も、消費税率引き上げ前の駆け込み需要があって、3月までは順調に推移するとみている。ただ、駆け込み需要が2年先、3年先の需要を先食いすることは間違いない。4月以降はその反動が出て当然という意識をもって、対策を施す必要がある。
かつて、アナログ放送の終了に伴う薄型テレビの特需があったが、その反動で需要ががくんと落ち込み、テレビメーカー各社が価格を中心に対策を余儀なくされた事例は、大切な教訓になる。また、価格対応だけでなく、ICT市場のすそ野が広がるなかで、これからたくさん出てくる製品やサービスにしっかり目を向けて、新たな分野に積極的に取り組んで成長・挑戦していくことが大切だと考える。
「顧客第一主義・地域密着」を前面に押し出して、市場やユーザーの変化を敏感に吸い上げて提案活動につなげることが、今まで以上に重要な年だという認識を強くもって臨みたい。