ソフト開発のフィールドシステム（鈴木浩司代表取締役、那覇市）は、音波を使った「音響通信」技術で世界に打って出ている。音響通信は、人の耳にはほとんど聞こえない高音域を通信に活用するもので、同社は国内だけでなく、米国、中国、EUなどで特許を取得（または出願）している。フィールドシステムの原田修・スマートフォンアプリケーショングループグループリーダーは、「他社の特許の侵害がないことを客観的に裏付けて、国内外で信用を得るために国際的な特許を積極的に取得、出願してきた」と、海外進出を念頭に置いてビジネスを進めている。

海外特許を積極取得

　人の耳は低音域の20ヘルツから高音域の2万ヘルツまで聞こえるとされ、スピーカーやマイクもこの帯域に対応できるよう設計されている。だが、実際には高音域は聞こえにくく、音響通信はこの帯域を通信に使う仕組みだ。

　同社は海外進出を念頭に、2012年に本社を東京から沖縄へ移転。沖縄は県を挙げてIT新興に力を入れていて、かつアジア市場とのビジネスマッチングも盛ん。その効果もあってか、2013年には沖縄からほど近い台湾で、有力なビジネスパートナーの開拓に成功。「当社の音響通信技術『サウンドコード』を活用した、実質、初めての海外大型案件を獲得することができた」という。（つづく）（安藤章司）