皆さんのオフィスには、異なるメーカーのデジタル複合機(MFP)が何台ありますか? 大企業のように、設置台数が多くなるほど、異なるメーカーのMFPが並んでいるはずです。大企業ほど「1社購入」を避け、複数メーカーに合見積もりを取り、複数メーカーのMFPを購入しているからです。
経験された方なら分かると思いますが、異機種のMFP環境は不便です。例えば、紙に刷られた「地紋印刷」で複写を防止する仕組みは、どのメーカーMFPも搭載していますが、リコーのMFPで地紋印刷した媒体を、仮にキヤノンのMFPで刷れば複写できてしまうのです。
これを解決しようというのが、ビジネス機械・情報システム産業協会の「BMLinkS」が策定した「BMLinkS情報マーキング標準仕様」です。実は「BMLinkS」は、ここ数年、こうした素晴らしい機能を開発してきました。しかし、身内のプリンタメーカーがこれを使おうとしない。エンドユーザーにはとても有益な仕組みなのですが、普及がイマイチなのです。国内のIT市場が成熟化するなかで、もう「メーカーのエゴ」だけでバチバチ戦う時代は終わったように思います。(谷畑良胤)
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JBMIAのBMLinkS 新仕様は「複写防止」に最適だが… プリンタメーカーのエゴで浸透せず
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2010.7.5」より