北斗七星

北斗七星 2010年10月25日付 Vol.1355

2010/10/28 15:38

週刊BCN 2010年10月25日vol.1355掲載

▼国の出先機関が音頭をとって、北海道で、ある“実験”が進んだ。道内ITベンダーの統廃合だ。ベンダー同士を資本提携・統合・M&Aなどで融合。規模を生かす事業展開を後押ししようと目論んだ。結論から言うと、これは不発だった。

▼この機関は、統廃合に必要な資金も用意した。だが、我の強いベンダー経営者の壁に阻まれ、実現は一部にとどまった。他社と一緒になることを嫌ったのは、大手ITベンダーに嫌気がさして独立した技術者だ。融通のきかない規模の大きな会社にすることを拒んだのだ。

▼欧米、中国に比べ、日本のIT業界は、総企業数に占めるベンダーの数が多い。日本以外の国の多くは、企業内にIT担当者を配置している。日本はその逆で、IT導入の「良きパートナー」がいなければ、企業単独でシステムをつくることができにくい。

▼大手ITベンダーの多くは、クラウド事業でのチャネル戦略を柱に据える。だが、システム導入の手間が省ける分、チャネル数は減る。「構造改革」が一気に始まるのだ。IT流通を担う企業は自分の居場所を真剣に考える時がきた。(吾)
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