情報サービス業界の再編が着々と進んでいます。最大手のNTTデータが、2月1日に、老舗SIerの日本電子計算(JIP)への株式公開買付けをスタートさせました。JIPを傘下にもつJBISホールディングスの取締役会が賛同の意を表明していることから、順当に進めばNTTデータ連結子会社になる見込みです。
JIPは1962年設立の伝統あるSIer。当時は米国の最新鋭のコンピュータを駆使した科学技術計算で、時代の最先端を切り開いてきた会社です。とりわけ橋梁の構造計算では実績をもっているのですが、いかんせん、公共投資の抑制と人口減少で、国内での大規模な橋梁建設がほぼストップ。その後、オフコン、オープン系へと進んだわけですが、JIP独力では今後の成長は難しいと判断したのでしょう。
JIPは科学技術計算のほかにも、証券総合や自治体向けの総合システムなど、多くの強みをもっています。それが、NTTデータが株式公開買付けに踏み切った理由です。
1月末には、NECが国内外で1万人(うち外部リソースを含む国内が7000人)規模の人員削減を発表したばかり。詰まるところ、成熟する国内市場で勝ち残り、成長するには、他社との提携を通じて事実上の事業統合を行うか、IPのように再編の波に乗るか、あるいはNECのように人員整理を含めた自らの事業の再構築をするか、いずれかの選択を迫られているようです。(安藤章司)
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NTTデータ、JBISホールディングスへの株式公開買付けをスタートメールマガジン「Daily BCN Bizline 2012.2.2」より