先日、Android OSのスマートフォン向け組み込みソフト開発を手がける技術者に話を聞く機会がありました。

 Android OSの新しいバージョンが出ると、世界のスマートフォンメーカーが一斉にドライバソフトの開発やOSのバグ取り作業に取り組むわけですが、そこで力の差を誇示するのが、サムスンやHTCといった世界大手。日本メーカーが束になってもかなわない人員と資本を投入して、いち早く製品を出してきます。

 今回、話を聞いた技術者は、先行して出てきた世界大手の製品を手に、「こことここは直してるから、うちも優先して直そう」と分析。日本メーカーはヒト、モノ、カネ、時間が足りないなかで、とうてい全部には対応できないので、取り急ぎ世界大手の水準にできる限り近づこうと、涙ぐましい努力を日夜続けているそうです。

 先進国のアメリカがOSという標準をつくり、アジア大手メーカーが製品をつくる。今の日本は、そのどちらにもなることができていません。それが、この組み込みソフト技術者を一層苦しい状態に追い込んでいます。日本が「先進国」を名乗るのであれば、やはり、自ら世界標準や潮流をつくっていくしかなさそうです。(安藤章司)

【組み込みソフト関連の記事はこちら】
岐路に立つ組み込みソフト 開発の海外シフトが鮮明に
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2013.4.11」より