このところ、IT企業の社長交代の発表が相次いでいます。国内では、インターネットイニシアティブ(IIJ)やレノボ・ジャパン、日本オラクルなど、知名度の高い大手が新しいトップを置き、経営体制を一新することによって、クラウド/モバイルの登場で激変するIT市場にチャレンジしようとしています。
IT先進国の米国でも、IT企業の組織再編は活発です。米マイクロソフトは、8月23日、スティーブ・バルマーCEOが1年以内に退任すると発表しました。世界のIT業界を驚かせた衝撃のトップ交代です。マイクロソフトは、パソコン需要の落ち込みを受けて、現在ソフトウェアを提供する会社から、ITサービスプロバイダに変わろうとしています。バルマーCEOの後任者として、社外の凄腕経営者を含めて、サービス事業への舵切りを担う人材を探しています。
CEO交代を巡る内外の報道をみると、「マイクロソフトは一般消費者向けにITサービスを提供する企業ではなく、法人に特化してビジネスを展開するIBMやオラクルに匹敵する企業を目指すべきだ」というコメントが目につきます。収益の高い法人事業に全力を投じる――。なるほど、と納得できる部分はあるのですが、これに関しては2年ほど前のできごとが頭に浮かびます。
当時、米ヒューレット・パッカード(HP)のレオ・アポテカーCEOは、パソコン事業を切り離して、法人中心に事業を再編しようとしました。しかし、株主などからの反発が激しく、結果としてパソコン事業を継続。アポテカーCEOは解任されました。それから2年、HPは売り上げの減少が続いています。
マイクロソフトもWindows 8の販売が活性化せず、決して状況はいいとはいえません。新CEOに誰を選び、どんな方針でビジネスの拡大を図るのか――。日本のIT業界にも大きな影響を与える組織再編に、国内ITベンダーは要注目です。(ゼンフ ミシャ)
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米マイクロソフト 満を持して日本にデータセンターを開設 Windows Azureビジネスに与える影響とはメールマガジン「Daily BCN Bizline 2013.8.28」より