北斗七星

北斗七星 2013年8月26日付 vol.1494

2013/08/29 15:38

週刊BCN 2013年08月26日vol.1494掲載

▼東京で働くOLの松本千尋が日帰りで益子町(栃木)に一人で観光に出る。はじめは街に馴染めなかったが、ふと立ち寄ったカフェで珈琲を淹れる器や店員の人情に触れ、本来の心を取り戻す。昨年の沖縄国際映画祭の「地域発信型プロジェクト」で制作した田平衛史監督の映画『益子日和』のひとコマだ。

▼益子焼は、石材粉や古鉄粉を釉薬(うわぐすり)にした重厚感のある肌触りが特徴。ただ、材料の性質上、割れやすいのが欠点だ。益子を訪ねた際、ある窯元の主から「水分が浸透しやすいので、一度水に浸けてから使って」と使用上の注意を受けた。続けてこうも。「焼き物と同じで、街の人間は親しみやすいだろ」。

▼最近は『益子日和』に出てくるような洒落た販売店や益子焼を食器にする洋食屋やカフェが立ち並ぶ。陶磁器・雑貨のセレクトショップ「G+OO」に入ると、焼き物一辺倒の陳列とは異なる若者好みの別世界があった。東京辺りにある雑貨屋と同じといえば同じだが、益子焼の食器や置物が並べてあって新鮮味がある。

▼お盆休みの時期だったが、街は閑散としていた。若い人も楽しめるのに、宣伝不足が否めない。ウェブやSNS利用のタネはこうした場面で発見できる。(吾)
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