『週刊BCN』の連載「営業マネージャーたちの最前線」では、IT企業で奮闘している営業リーダーに、営業現場での様子やマネージャーとしての工夫などを語っていただいています。ここでは、紙面では掲載しきれなかったエピソードをご紹介します。 *「営業マネージャーたちの最前線」本編は『週刊BCN』1510号(12月16日号)に掲載しています。ぜひご覧ください。

[語る人]

●profile..........
渋谷 和幸(しぶや かずゆき)
 人材派遣会社での勤務を経て、2005年、ネオジャパンに入社。自社パッケージソフトを用いたクラウド事業の立ち上げとクラウドサービスの拡販営業を担当する。09年からは中堅・中小企業(SMB)向けパッケージ製品の営業に携わり、販売パートナー向けの提案活動に従事。13年4月、現職に就いた。

●所属..........
プロダクト事業本部
SMB・クラウド営業部 課長

●担当する商材.......... クラウド型グループウェア「desknet'sクラウド」
●訪問するお客様.......... SIerなどの販売パートナー
●掲げるミッション.......... 中堅・中小企業(SMB)向け事業の拡大
●やり甲斐.......... チームで仕事するうえでの楽しさや喜びを共有すること
●部下を率いるコツ.......... メンバーの席を回って話をし、「本音」を聞き出す
●リードする部下.......... 3人

 私が率いるチームには、それぞれひと癖ある個性派の人が多い。彼らは、営業活動に関して「こうしたい」とか「こうするべきだ」とか、自分の考えていることをはっきり言ってくる。それぞれの意見をうまく調整して方針を定めるのが、管理する私の腕の見せどころだ。今年4月、課長になって学んだのは、現場を動かそうと思って部下に私の考え方を伝えても、それだけでは現場はなかなか動かないということである。

 私のチームは、パートナー販売の拡大に取り組んでいる。私が製品の提案ポイントを部下に教え、部下たちはそれをパートナーに伝える。そしてパートナーは、それを踏まえて、エンドユーザーに提案する。こうして複数の人が絡む仕組みになっているので、伝言ゲームのように、ちょっとしたズレで内容が伝わらなくなることがある。だからこそ部下をしっかり管理して、提案ポイントを正確にパートナーに伝えさせなければならない。

 課長になったばかりの頃は、以前と同じようにお客様を訪問する現場の活動を行っていた。プレイングマネージャーとして、陰から支えるかたちで部下を管理していたのだ。しかし、これではパートナーとのコミュニケーションが、先ほどの伝言ゲームのようになってしまうことがわかった。実際に、トラブルも発生した。上司に「君はマネージメントが足りない」と指摘されたこともあって、裏方をやめ、前に出て部下を引っ張っていくというスタイルに切り替えることにした。

 まだまだ不慣れな部分もあるけれども、マネージャーに徹することで、いまは現場が活発に動くようになっている。ポイントは、部下と密にコミュニケーションを取り、部下とパートナーとの間と、パートナーとエンドユーザーとの間に認識の違いが発生しないようにすることだと思う。部下たちのなかには、積極的に前に出るようになった私を見て、「渋谷さんのようになりたい」と言ってくれる人もいる。上司だけでなく、部下にもマネージャーとして認められているのは、仕事みょうりに尽きる。