今日のひとことWeb版

SIer技術者のキャリアパスを考える

2021/04/01 10:00





 「○○銀行の勘定系を担当して30年!――」というSEは、SI業界の中に少なからず存在します。顧客からの信頼が厚く、技術力や業務ノウハウもあることから、半分ユーザー企業の「社員」のような存在になっているケースです。

 今回、不祥事を起こしたSCSKの元社員は、特定顧客のシステムを入社以来、19年にわたって担当してきた熟練エンジニアだといいます。顧客システムをあまりにも知りすぎてしまったがために起きた不祥事と見ることもできそうです。

 また、特定顧客の特定システムしか経験がない状態は、一般市場での競争力という観点からも疑問符がつきます。SEのキャリアパスやスキルセットが、そのままSIerの競争力になると考えれば、ビジネス戦略的なデメリットも見過ごせません。

 SEの定期的なジョブローテーション(異動)やキャリアパスについて、今一度、考えてみる必要がありそうです。(安藤章司)

【記事はこちら】
SCSKの不祥事 熟練エンジニアがなぜ 総額2億円の不正出金、監視網をくぐり抜ける
  • 1

関連記事

DXレポート2で見えてきたITベンダーの目指すべき方向性 初代「DXレポート」から2年半 変わり始めたSIのビジネスモデル

SIerの新たなビジネスモデルに挑戦するBeeX パートナーエコシステムの力でスケール

ローコード/ノーコード開発による「内製化支援」のあり方

Scaled Agile Japan NTTデータのCAFISに「SAFe」を応用 アジャイル開発フレームワークを国内に根づかせる

富士ソフト AWSビジネスを拡大 SIerとしての強みを生かせる市場環境に