社内編
京セラ コミュニケーションシステム
大嶋茂雄 セキュリティ営業部長 「部下たちに『僕という人間』を知ってもらうために、平日の夜、部下たちを自宅に招いて、食べて、飲んで、歓談する会を開いた」
営業現場を束ねるマネージャーも一人の「人間」だ。上司と部下が仕事以外の場で会話することで、お互いの生活環境や価値観について理解が深まり、信頼関係が強くなる。その手段の一つが、ホームパーティ。大嶋氏は、部下を自宅に招いて趣味などの話題を交わし、その後、ビジネスに関しても部下たちの意見を積極的に取り入れようになったそうだ。
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長谷川信光
ビジネス・プロセス・サービス
事業部事業部長 「自分から現場に降りて、同じ目線で部下と会話し、関係を密にする。彼らには、私を知識や人脈をもつブレーンとして活用するようにと言っている」
「イノベーション」を求められる時代にあって、日本の企業は、意見交換がしづらく、斬新なアイデアがなかなか生まれない縦割りの組織の壁を崩そうとしている。ポイントは、上司が部下に話しかけて積極的に意見を聞くことにある。そして、実現できそうと判断した意見を開発に反映させることだ。
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井上望 第三営業部部長 「私は組織のリーダーであって、人間的に偉いわけではないので、部下に対して『キミはダメだ』というような人格否定は一切しない」
部下を厳しく指導し、必要に応じて弱点や改善点を明確に示すことが営業マネージャーの務めである。しかし、部下を「人」として否定するのは禁物。人材確保が大きな課題になっているIT業界だからこそ、ほめることと叱ることのバランスをうまくとって、部下の力を引き出したいものだ。
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富士ソフト
市川敬己 営業推進グループ課長 「お客様が発注の決断に至るのは、ほんの小さなことが決め手になることが多い。お客様のニーズは、現場で、この目で見て把握し、開発に生かす」
市川課長は、教育事業を手がけるお客様に、電子教材のインフラを提案するために、子どもがどのように勉強するかを観察し、技術部隊に機能開発についてきめ細かく指示を出した。ユーザーのニーズは、現場でしか把握することができない。商談の前段階として、お客様のお客様を訪れ、しっかり勉強することが大切だ。
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日向野三恵子 首都圏営業2課課長 「私はお客様の『こうしたい』を聞くのではなく、お客様も気づいていない潜在的なニーズは何かを考え、ITを提案する」
お客様が明確に認識している課題は、いってみれば、誰でも聞き出すことができ、解決策を提案することができるものだ。そうではなく、お客様も気づいていない課題をITベンダーの営業担当者が見つけ出し、競合に先駆けてソリューションをつくれば、自社の独自性を打ち出して、受注する確率が高まる。
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松井克 法人営業部課長 「お客様との商談の過程で、必ず一度笑いを取る『いちプレゼンいち笑い』を心がけている」
「笑う門には福来たる」というように、笑う営業には受注が!? 松井課長は、商談のときに、おもしろい話を仕込み、爆笑を起こすことで、相手との距離を縮める。「笑い」をツールにして、プレゼンテーションのインパクトを強くし、自社がお客様の記憶に残るようにして、認知度の向上に結びつけている。
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ITの提案が「製品」から「ソリューション」に変わりつつある。そして、それにつれて営業に求められるスキルも多様化が進んでいる。お客様の組織や業務内容はどんなものか。うちが扱っている製品の技術特徴は。お客様の予算が限られているなか、どの部署にどの切り口で提案すればいいのか──。営業の成功パターンは決して、一つしかないというわけではない。本紙で紹介した営業マネージャーたちの十人十色の知恵を借りて、営業の工夫に挑戦してみてはどうだろうか。
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