Special Feature
オブザーバビリティーは自動修復の時代へ AIによるシステム高度化競う
2025/09/22 09:00
週刊BCN 2025年09月22日vol.2076掲載
(取材・文/春菜孝明)

米New Relic日本法人
外部ツールと連携エコシステム拡大へ
米New Relic(ニューレリック)はオブザーバビリティー「3.0」への進化を打ち出す。APM(アプリケーションパフォーマンスモニタリング)など監視対象ごとのツールを「1.0」と位置付け、「2.0」は機能群を統合したプラットフォームになる。この段階ではオールインワンで活用できる一方、機能が複雑化し、使いこなすことが難しくなったという。こうした課題解決に向けて(1)ビジネスの全領域への貢献(2)高度な予測(3)データ収集の拡大ーを柱にアップデートしている。さらに収集、分析、可視化のすべてのレイヤーにAIが関与し、自動化を強化。自然言語でアラート内容などを解説するAIアシスタント機能を搭載し、技術者以外も現状を把握できる仕様になっている。

松本大樹 執行役員
次の段階にあたる自動修復について、日本法人執行役員の松本大樹・技術統括兼CTOは「今後1~2年後の実現をめどに、機能実装や新機能開発を進めている」と説明する。実現には、どこまでAIに任せられるか状況判断する学習を進めた上で、外部ツールに搭載されたAIエージェントとニューレリックのAIエージェントが連携する「Agentic Orchestration」がかぎになるとみる。これまではツールを監視する機能がメインだったが、AIエージェント同士が連携して情報をやりとりすることで、アラートなどの対応を効率化し、自動修復を視野に入れた運用の自律化が進む。すでに「Gemini」や「GitHub」「ServiceNow」と連携しており、引き続き各ツールのトップベンダーに範囲を広げ、エコシステムを築いていく方針だ。
技術的進化に加え、日本市場ではサポート体制が定着に貢献していると分析する。商談段階からエンジニアが同行し、導入や運用を支援している。9月には認定資格を刷新するなど、人材育成面を強化した。近年はSIerとのパートナー契約に注力しており、市場拡大とともに、蓄積した知見の体系的な共有にも取り組む。松本執行役員は「オブザーバビリティーの知名度は高まったが、エンジニアで活用している人はまだ少ない。人員を増やして対応していきたい」と組織強化も進める考えを示す。
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