視点
世界にはばたく『巨人の星』『ベルサイユのばら』
2014/02/20 16:41
週刊BCN 2014年02月17日vol.1518掲載
出版社における電子書籍の売り上げが、昨年開設されたアマゾンのキンドルストアによって飛躍的に伸びている。アマゾンは具体的な数字を公表していないが、出版社の間では情報交換に余念がない。その内訳は、依然として「コミック」と「アダルト」が大きな占有率を示しているが、限定されたジャンルでも、パイ自体が広がっていることは間違いなさそうだ。しかし、出版関係者はその売り上げが今後、伸び続けていくのかについては慎重な姿勢を崩していない。キンドルストアによる伸びは一過性のものと捉えているのは、文芸・実用・一般書の出版社も同じだ。
いま、出版社が注目しているのは海外市場である。欧米、ASEAN諸国に対するライツ(権利)ビジネスに期待を寄せている。日本のクールジャパン戦略に乗じて、世界の評価が高い日本のコミックを海外に向けて発信する考えだ。私たちが幼少時代から慣れ親しみ、感動のあまり涙を流しながら頁をめくっていたマンガが世界中の人たちに読まれる。新刊だけでなく、『巨人の星』や『みなしごハッチ』『タイガーマスク』など、挙げればキリがない。国内ではなかなか火がつきにくいコンテンツも海外では新刊になる。
思えば、私が『ベルサイユのばら』にはまったのは、たしか27歳の時だった。世界史は大の苦手だったが、フランス革命を舞台にした物語に引き込まれ、毎日、レンタルビデオ屋さんに通っては妻と鑑賞して、会社の仲間にそのおもしろさを話していた。
そんなことはどうでもいい。言いたいことは、マンガが子どもから年配者までを対象にしたエンターテインメントであるということだ。世界の国々では宗教や文化の違いからさまざまな制限を受けている。赤い血の色を黒にして、暴力的なシーンを削除されたり、表現を変えられたりと編集者は大忙しだ。お金もかかる。
経産省と総務省は、昨年3月、155億円の助成金を用意した「ジャパン・コンテンツ ローカライズ&プロモーション支援事業」を開始した。その予算管理をしているNPO法人映像産業振興機構の事務局JーLOPには、現在、テレビ・映画・ゲーム・アニメ・出版界から2000件を超える申請があり、1100件以上が採択されている。両省はそれを1年間延長して、再公募し始めた。世界への発信はこれから加速していく。
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