7月18日、財政破綻を発表した米ミシガン州デトロイト市。長年にわたって進んだ人口の流出と、それに伴うスーパーマーケットの撤退で、食料の供給不足が深刻な問題になっています。市民は、地区の再生を図りながら、新鮮な食料を手に入れるために、人が住まなくなった土地で野菜や果物を栽培しています。日常生活の改善を目指した文字通りの「草の根運動」です。
デトロイト市が財政破綻に陥った一つの原因は、廃屋が立ち並び、人口がまばらになったエリアにも街灯やごみ収集などの都市機能を提供し、そこで多大なコストを発生させたことにあります。
デトロイトの問題は、われわれと決して無縁ではありません。少子高齢化が進む日本の地方都市では、人口の減少が止まりません。そこでは、都市機能をいかに効率よく提供するかがカギを握ります。ICT(情報通信技術)を活用し、都市を統合管理する「スマートシティ」の提案が求められるところです。
デトロイト市民の取り組みから学んで、一つ考えられるのは、スマートシティと農業ITの融合です。都市計画によって、住宅を市内の主要なエリアに集中して人口密度を高め、ほかのエリアで農業を行う。自治体は情報システムを駆使して、都市全体を効率よく管理する――。ITベンダーが投資対効果を訴求し、スマートシティと農業ITの活用を財政破綻の防止手段として提案すれば、導入のハードルである「コスト」の問題を解決することができます。(ゼンフ ミシャ)
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事業になるか 日本のスマートシティ 課題を整理して可能性を展望するメールマガジン「Daily BCN Bizline 2013.7.31」より