今日のひとことWeb版

「D2D」ネットワーク

2014/06/19 15:26

 データセンター(DC)同士を接続するD2D(データセンター・トゥ・データセンター)ネットワークサービスの需要が伸びています。DC事業者のKVHは、D2Dのトラフィック量は年率26%で伸び、2017年にはアジア太平洋地域だけで15億ドル(約1500億円)の市場規模に達するとみています。

 D2Dの需要拡大の背景には、SIerが独自に開発したSaaS型の業務アプリケーションを、DCに置いた基幹系システムと連携して使うケースが増えていることがあります。

 DC事業者が、自社のDC設備だけでサービスを完結させるのはもはや不可能。そこで先述のKVHは、業界に先駆けて、他社DCを含む約100か所を結んだD2Dネットワークサービスを発表しました。

 ライバルDCと相互接続するのですから、お互いに心穏やかではないでしょうけれど、ユーザーのニーズがある以上、「自分がやらなければ、いずれ誰かが始める」という危機感をもってサービスの提供に踏み切ったそうです。

 ユーザーの需要を退けて自分だけの部屋に閉じこもるより、ライバルを巻き込んででも、需要を積極的につかんだほうがビジネスのチャンスは大きい――。ITビジネスの本質を垣間見たような気がします。(安藤章司)

【KVHのD2Dサービスの記事はこちら】
KVH、アジアの主要DC100か所と相互接続する「DCNet」を8月にスタート
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2014.6.19」より
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