日本マイクロソフト（樋口泰行社長）のマイケル・ダイクス業務執行役員SMB営業統括本部統括本部長は、「BCN Conference」における「マイクロソフトのSMB総合チャネル戦略～これまでも、これからもパートナーと共に～」のセッションで、中堅・中小企業（SMB）向けのチャネル戦略を披露した。

＜2011.10.14開催 BCN Conferenceレポート＞

日本マイクロソフトのマイケル・ダイクス業務執行役員

　講演の冒頭で、ダイクス業務執行役員は、東日本大震災後の市場ニーズの変化について説明。これまではバックアップ／リストアや二重化（冗長構成）による障害対策が一般的だったが、震災を受けて、停電対応や省電力対応、在宅勤務対応、データ保護などのニーズが多くよせられるようになったことを明らかにした。

　そのうえで「Microsoft Lync」をはじめとして、「Microsoft Exchange Server」「Microsoft Office」「Microsoft SharePoint Server 2000」「Windows7」などのパッケージとクラウドサービスが停電対応やデータ保護などに有効であることを強調。ダイクス業務執行役員は、「SMB市場には、まだまだ多くの可能性が存在する」として、パートナービジネスを強化して市場開拓をさらに進めていく決意を表明した。

　ダイクス業務執行役員は、「国内SMBの年間のIT予算総額は1.7兆円（マイクロソフト調べ）。巨額にみえるが、北米や欧州と比べるとこの数字はまだ非常に少ないので、需要が眠っているとみられる。それだけに、ビジネスチャンスは大きい」と述べたほか、56％のSMBがサーバーを未導入（平成18年度の財務省事業所統計調査結果より）と指摘し、SMBの需要喚起をパートナーに呼びかけた。

　SMB市場の開拓を推進するにあたり、パートナーとの協業強化策を紹介した。今年7月には、SMBとパートナーに特化したSMB営業統括本部を立ち上げ、全国を網羅する体制を築いた。「SMB市場にリーチできるのは、パートナー様の力が必要だ。より多くのパートナー様に、より深くマイクロソフトのビジネスに関わっていただきたい」（ダイクス業務執行役員）。

　多くのパートナーを募るため、新規パートナー向けにマイクロソフトパートナーネットワークを用意していることを紹介した。「まずは、加入してもらいたい。そして、どんどんレベルアップしてほしい。当社は、能力開発や技術支援などを通じ、より多くのパートナー様がビジネス展開できるように支援している」（ダイクス業務執行役員）。

　また、クラウドビジネス支援プログラムとして、クラウドエッセンシャルパックとその上位プログラムのクラウドアクセラレートを設定。クラウドアクセラレートは、20時間のアドバイザリー時間の追加やMicrosoft Pinpointへの優先掲載、クラウドパートナーロゴの利用などの特典を得ることができることを強調した。

　既存パートナー向けには、パートナーインセンティブプログラムやMidmarket Solution Competencyのメリット、Value Added Distributorを紹介した。