脱炭素関連サービスを展開するアスエネは1月、パートナープログラム「ASUENE PARTNER PROGRAM」を本格始動した。これまで直販中心で成長してきた同社は、パートナーとの協業によりさらなる事業拡大を目指す。eラーニングなど既存のコンテンツも活用しながら、販売支援やトレーニング、コミュニティー形成を通じてパートナービジネスの基盤を構築する。(大向琴音)
直販で培ったノウハウを基に展開
ASUENE PARTNER PROGRAMは、GX(グリーントランスフォーメーション)市場の拡大を背景に、パートナーとの協業価値を高める取り組み。パートナー向けの支援体制やコミュニティーを強化し、GX市場の本格成長に向けて、さまざまな脱炭素ソリューションをワンストップで提供する価値共創型エコシステムの構築を目指す狙いがある。
同社は直販を主体としており、収益の大半も直販によって構成されていた。また、既に全国に約200社のパートナーを持ちながらも、パートナーシップを活性化できる仕組みが整っていなかったという。上級執行役員を務めるCEO室海外事業開発部の荒金雄治・Chief Growth Officer(CGO)は「直販で培ったノウハウや経験を基に、パートナーの力を活用できるフェーズに入った」とパートナープログラムを立ち上げた背景について説明する。
パートナーは大きく三つに分類される。顧客紹介を行う「リファラルパートナー」、代理販売を担う「リセールパートナー」、アスエネが開発したサービスを自社製品のように提供する「ホワイトラベル」だ。現状はリファラルパートナーが多く、リセールパートナーは数社。商材の専門性が高く、パートナーがすぐに販売まで担うのは難しいとする。パートナープログラムの開始を契機として、パートナーの営業担当者へのトレーニングなどに力を入れ、リセールパートナーの拡大に注力する。
荒金雄治・Chief Growth Officer
情報発信の機会を創出
最近パートナーに多く活用されるようになったのが、既存商材の一つであるeラーニングプログラム「ASUENE ACADEMY」で、脱炭素やサステナビリティーの基礎から段階的に学べる。パートナー向けのプランも用意しており、アスエネ製品にとどまらず、脱炭素やサステナビリティー自体への理解を深めることができる内容となっている。さらに、自社メディアや共催ウェビナーを通じた情報発信の機会も提供する。パートナーは自社の取り組みを発信でき、認知向上や営業機会の創出につなげられるとする。
コミュニティー形成で連携を促進
パートナー同士の連携強化にも取り組む。コミュニティーイベントとして「Partner Meetup」と「Partner Award」を、それぞれ半年ごとに開催する。Partner Meetupはインプットの場として、同社の事業やソリューション概要のほか、顧客事例などを共有する。Partner Awardはアウトプットの場と位置づけており、実績のある企業や個人を表彰する。表彰者がパネルディスカッションに登壇し、顧客の課題をどのように解決したのかなどを発表するといった機会も設ける。
脱炭素分野においては、単独で完結するサービスが少ないため、脱炭素業界の中でも異なる事業を展開する企業同士が連携することで新たな価値が生まれるという。実際に、ソリューションを持つ企業とリース会社などが協業するといった動きも出始めている。このようなコミュニティー形成の取り組みを推進しており、荒金CGOは「脱炭素業界におけるパートナーコミュニティーをアスエネ発信でつくりたい」と展望する。
プログラム開始後の反響は大きく、新規参画の問い合わせも増加している。社内でもパートナービジネスへの関心が高まっており、営業部門がパートナーのサポートに積極的に関与する動きも見られるという。今後も主力のCO2排出量可視化サービス「ASUENE」を軸に展開を強化する。