今日のひとことWeb版

NECの決意

2013/05/22 15:26

 未来の映像が頭のなかに浮かびます。時は2073年7月、NECが記者会見を開きます。社長が壇上で、「60年前に借り入れた1300億円の弁済がようやく完了した。大変だったけれど、この1300億円の戦略投資によって新しいNECを築き、ここまで来ることができた」と語ります。

 そして現在――。13年5月、NECは「次の100年」に向けた事業展開のために、大胆な資金調達を行いました。負債と資本を併用するハイブリッドファイナンスによって1300億円を手に入れ、社会ソリューション事業の技術開発や、アジアでの販売体制づくりなどに活用しようとしています。弁済期日は73年6月末日。60年先です。

 NECをはじめとする大手コンピューターメーカーは、いま、大きな転換期に差しかかっています。「ビッグデータ」や「グローバル」を掲げ、商材も売り方も、これまでとは様相が異なるビジネスへの転換を急ピッチで進めています。不可欠になるのは、自由に動かすことができるオカネ。NECの資金調達は、社会ソリューションとアジアに注力する方針を裏づける遠藤社長の確たる決意と捉えることができます。(ゼンフ ミシャ)

【記事はこちら】
NEC、2012年度は増収増益、今後は「社会ソリューション」「アジア」に力点
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2013.5.22」より
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